ChatGPTのdotクラウド開発環境はどこまで使える?実測してみた
公開日 · 2026/09/30
ChatGPTのdotで利用できるクラウド開発環境が、実際の開発作業でどこまで使えるのかを確認しました。小規模なビルド・テスト、ローカルHTTP、SQLite・PostgreSQL・Redisは動作しました。Dockerの実行や常駐には制約があります。
性能の目安
| 項目 | 実測・表示値 | 目安 |
|---|---|---|
| CPU 1スレッド | sysbench 約2,169 events/s | Ryzen 9 3900XTの公開値の約95% |
| CPU 8スレッド | sysbench 約11,164 events/s | Core i7-7700の公開値の約1.25倍 |
| C++ 全体ビルド | 1並列 6.14秒 / 4並列 1.98秒 | 小規模な33ソースで約3.1倍に高速化 |
| C++ 差分ビルド | 0.26秒 | 1ソースを再コンパイル・リンク |
| 7-Zip 圧縮・展開 | 1スレッド 3,763 / 4スレッド 17,872 MIPS | 7-Zip独自の総合評価値 |
| SHA-256 | 約1.24 GB/s | 1ワーカーの暗号処理 |
| ストレージ 連続読込 | 約6,153〜6,279 MB/s | fio、短時間の転送 |
| ストレージ 連続書込 | 約3,186 MB/s | fio、短時間の転送 |
| ストレージ ランダム読込 | 約282〜344 MB/s | fio、4 KiB・QD32 |
| ストレージ ランダム書込 | 約329〜338 MB/s | fio、4 KiB・QD32 |
| CPU数 | 9論理CPU | 環境から見える数 |
| メモリ | 約9.7 GiB | 環境から見える総量 |
| 保存領域 | 約31.45 GiB、初期空き約29.23 GiB | 環境から見える容量 |
| GPU | この環境では利用できず | Vulkan・OpenCLで確認 |
| Cinebench・CrystalDiskMark | ネイティブ実行対象外 | 公式Linux版なし |
| Geekbench | 実行条件待ち | 非公開・オフライン実行にはPro版が必要 |
CPUの機種比較は、同じ素数計算での参考値です。CPU全体の性能を比較したものではありません。ストレージは短時間の結果で、CPU数・メモリ・保存容量は専有枠や保証値ではありません。
言語ごとにできたこと
15言語で実行を確認できました。以下は小規模なプログラムでの結果です。
| 言語 | 検証バージョン | 確認できた作業 |
|---|---|---|
| Python | 3.12.14 | 実行、venv、単体テスト、デバッグ |
| JavaScript | Node.js 24.19.0 | 実行、npm test |
| TypeScript | 5.9.3 | 実行、strict型検査 |
| C | GCC 14.2 | ビルド、実行、UBSan |
| C++ | G++ 14.2 | ビルド、実行、CMake・Ninja・CTest |
| Go | 1.24.4 | ビルド、実行、単体テスト |
| Rust | 1.85.0 | Cargoでビルド、実行、単体テスト |
| Java | OpenJDK 21.0.12.1 | コンパイル、実行可能JARの作成・実行 |
| Kotlin | 1.3.31(Debian版) | JVM向けコンパイル、実行可能JARの作成・実行 |
| Ruby | 3.3.8 | 配列計算 |
| PHP | 8.4.24 | JSON処理 |
| Lua | 5.4 | 配列計算 |
| R | 4.5.0 | 基本演算 |
| Perl | 5.40.1 | 短い計算テスト |
| Bash | 5.2.37 | 短い計算テスト |
外部ライブラリを含む実用プロジェクト全般の動作を保証するものではありません。Kotlinは旧版のJVM向け処理を確認しました。
開発環境の構築と周辺ツール
| 項目 | 結果 | 使える範囲・注意点 |
|---|---|---|
| OS | Linux | Debian 13.6、x86_64 |
| Blender 4.3.2 | 成功 | GUI編集、.blend保存・再読込、CPUレンダリング、GLB書出し・再読込 |
| Unity Hub 3.22.0 | GUI起動成功 | 規約同意後、サインイン画面まで確認 |
| Unity CLI 1.0.0-beta.11 | 起動成功 | Editor一覧・インストール計画の取得 |
| Unity Editor 6000.3.25f1 | 導入成功・認証待ち | バージョン表示は成功。GUI起動はライセンス確認で停止し、制作・ビルドは未確認 |
| Android Studio | 導入・GUI起動成功 | Quail 4 / 2026.1.4 Patch 1の開始画面を確認 |
| Android SDK・APKビルド | 成功 | API 35でJava画面コードをDEX変換し、未署名APKを生成 |
| AndroidのGradle・AGPビルド | 未確認 | 今回はSDKツールを直接使用したビルド |
| Androidアプリの実行 | 未確認 | KVMによる高速化・USB実機接続なし。ソフトウェアエミュレーションは未検証 |
| iOSアプリ開発 | ソース編集まで | Xcode・iOSビルド・iOS Simulatorには別途macOS環境が必要 |
| 処理系の追加 | 成功 | Debianパッケージを作業領域へ展開 |
| npmパッケージ追加 | 成功 | TypeScriptを導入。キャッシュ先の変更が必要だった |
| PyPIパッケージ追加 | 成功 | packaging 25.0・pytest・Ruffの取得と実行 |
| ビルドツール | 成功 | make、CMake、Ninja、CTest |
| Git | 成功 | ローカルの別リポジトリへのpush・clone・fetch、GitHub公開リポジトリの参照 |
| Gitの外部push | 接続先の指定が必要 | 書き込み先のリポジトリ・ブランチが未指定 |
| SQLite | 成功 | テーブル作成、更新、集計、別プロセスから読込 |
| HTTP・TCPサーバー | 成功 | 環境内から接続 |
| ローカルサーバーの外部公開 | 確認手段なし | この作業環境のポートを外部公開する機能は確認できず |
| HTTPS通信 | 一部成功 | GitHub公開リポジトリへのGit接続は成功。接続先・方式により成否が異なる |
| ファイル操作 | 成功 | 作成・読込・改名・削除・変更通知 |
| 並列処理 | 成功 | 子プロセスと複数ワーカー |
| 継続実行 | 一部成功 | 管理された実行は5分完了。nohupでの常駐は失敗 |
| Docker | CLIのみ確認 | バージョン表示は成功。デーモン起動は未成立 |
| dot側のGUIブラウザー | 一部成功 | 公開ページ表示・リンク操作・DOM確認・画面取得。localhostへのアクセスはブロック |
| PlaywrightからのChromium起動 | 起動失敗 | シェルから新規起動するとソケット権限エラー |
| PlaywrightからのFirefox起動 | 起動失敗 | 導入できたが、描画用バッファーのエラーで起動待ちがタイムアウト |
| PlaywrightからのWebKit起動 | 検査で停止 | 依存ライブラリを追加しても、システム側のライブラリ登録を要求され起動に至らず |
| Claude Code 2.1.285 | 導入・起動成功 | バージョン・ヘルプ表示。認証してのAI開発は未実施 |
| Codex CLI 0.159.2 | 導入・起動成功 | バージョン・ヘルプ・シェル補完生成。認証してのAI開発は未実施 |
| OpenCode 1.18.33 | 導入・起動成功 | 通常npm導入は失敗。公式Linux x64バイナリで起動確認 |
| CLIによるAI開発 | 認証が必要 | インストール成功のみではモデル接続・自動開発の動作は未確認 |
| CLIからのブラウザーテスト | 未成立 | dot用GUI操作機能を各CLIから使えることは確認できず |
| Unixソケット | 利用失敗 | 権限エラー |
| サニタイザー | 一部成功 | UBSanは成功。ASan併用は実行時エラー |
| jq・ZIP | 成功 | JSON処理、圧縮・展開 |
| PostgreSQL 17.11 | 成功 | TCP接続、CRUD、ロールバック、DBサーバー再起動後の保持 |
| Redis 8.0.2 | 成功 | TCP接続、CRUD、トランザクション、保存・サーバー再起動後の保持 |
| MariaDB 11.8.6 | 一部成功 | サーバー起動と初期化モードのSQL処理。認証付きネットワークSQLは未確認 |
| Oracle MySQL | 導入できず | 設定済み配布元にパッケージなし。MariaDBとは別扱い |
| pytest 9.1.1 | 成功 | 5件のテストに合格 |
| Ruff 0.16.9 | 成功 | コード検査に合格 |
| GDB 16.3 | デバッグ実行不可 | 導入は成功。ptraceの権限エラーで停止 |
| 同一環境でのファイル保持 | 成功 | 約1時間42分前のファイルを再読込 |
| 環境全体の再起動後の保持 | 確認手段なし | DBサーバー再起動とは別。環境全体の再起動は未実施 |
| 無期限の常駐 | 確認できず | 5分間の成功だけでは永続運用を保証できない |
GUIブラウザーで確認した画面
dot側の専用GUIブラウザーで公開ページのリンクを操作し、移動先のIANA「Example Domains」を表示したときの画面です。
公開ページでのリンク操作後に取得したスクリーンショット。ローカルで開発したWebアプリのE2Eテスト結果ではありません。
Android Studioの起動確認

Android StudioのGUI起動と、別途コマンドラインでの未署名APK生成に成功しました。IDE内でのビルドやエミュレーター実行まで確認した結果ではありません。
Blenderの動作確認


GUIでの編集に加え、別途CPUで画像を生成し、.blendとGLBの保存・再読込を確認しました。GPUレンダリングは未確認です。
Unity Hubの起動確認

Hubの起動成功は、Unity Editorでの制作やゲーム実行ができたことを意味しません。Editor本体の導入とバージョン表示には成功しましたが、GUI起動はアカウントのライセンス確認で停止しました。制作・ビルドには認証後の追加検証が必要です。
まとめ
ビルド・単体テスト・DB検証はできますが、Webアプリの画面検証まで完結する開発環境としては確認できていません。 dot側のGUIからlocalhostに接続できず、シェルからのブラウザー起動にも問題があるためです。Docker必須の構成や常設サーバー用途にも制約があります。
